セルロースナノファイバー(CNF)

セルロースナノファイバー(CNF)とは

セルロースナノファイバーは、木材から得られる繊維(パルプ)をナノレベルまで解きほぐした未来を拓く世界最先端のバイオマス素材です。

  • 1ナノメートル: 10億分の1メートル
[セルロースナノファイバーができるまで] 木を1,000分の1サイズにチップ化 → 木材チップを1,000分の1サイズにパルプ化、木材繊維を取り出す → 木材繊維(パルプ)を1,000分の1サイズにナノ化(微細化)、木材繊維を化学処理と解繊処理によってほぐす → セルロースナノファイバーゲル → セルロースナノファイバー

特長

  • 軽くて強い
  • 比表面積が大きい
  • ガスバリア性が高い
  • 環境にやさしいバイオマス素材
  • 超極細の繊維
  • 熱による寸法変化が小さい
  • 水中で特徴的な粘性を示す

CNFの活用が期待される分野

CNFはその形状や特長的な物性により、樹脂やゴムなどとのナノ複合材、食品、医薬・化粧品、塗料・インキ、ヘルスケアなど、様々な分野において利用が期待されています。

セルロースナノファイバーは、ナノ複合材、機能性添加剤、機能性シートなどに利用されます。

世界初!
抗菌・消臭効果のある機能性CNFを日本製紙クレシアの大人用紙おむつで実用化

2015年、日本製紙はTEMPO酸化触媒法により完全ナノ分散したCNF(TEMPO酸化CNF)に抗菌・消臭機能を付与してシート化することに世界で初めて成功しました。そのシートを日本製紙クレシアが大人用紙おむつ「肌ケアアクティ」シリーズに実用化しました。また、女性用吸水ケア専用品「ポイズ」シリーズにも抗菌・消臭機能を付与したCNFのシートを使っています。

日本製紙 CNF開発及び製造拠点

日本製紙は用途に応じたCNF(製品名セレンピア®の製造技術と本格的な供給体制を確立し、事業拡大に向けた展開を加速しています。

[TEMPO酸化CNF量産機(宮城県石巻市)] 設備能力…500t/年、設備完成…2017年4月 [CNF強化樹脂実証機(静岡県富士市)] 設備能力…10t(CNF強化樹脂として)/年、設備完成…2017年6月 [CM化CNF量産機(島根県江津市)] 設備能力…30t/年、設備完成…2017年9月 [CNF実証機(山口県岩国市)] 設備能力…30t/年、設備完成…2013年 製造技術開発、ユーザーワーク用サンプル製造